どうも、底辺芸人です。
僕は普段から売れない芸人として活動していますが、今まで活動してきた中で気が付いたことがあります。
それは、芸人は「面白い」だけで売れる訳ではない、ということです。
芸人=面白い。面白い芸人=売れる。
この考えが一般的だと思います。僕も芸人になる前は同じように思っていましたから。
ですが、必ずしも正解の考えでは無いことに気付きました。勿論、間違っていないとも思いますが…。
これについては芸人になる前に知っておくと少し考え方なども変わってくるのではないかと思います。
という訳で、今回は「芸人」と「面白い」の関係性について話していこうと思います。
※あらかじめ言っておきます。僕自身売れていませんし偉そうに語れる立場では無いことは分かっています。今まで経験してきて思った「持論」ですので…。
売れる芸人とは
まず、結論から言います。
面白いだけでは、どうにもなりません。
〇〇が面白いネタをする。
ということに意味があります。
多くの芸人は〇〇の部分がありません。
それは「ネタ」だけで勝負をしようとして〇〇の部分が磨けていないからです。
僕が芸人になる前、なってしばらくの間、思っていたことがあります。
それは、「面白ければ売れる」ということです。
誰しも思うと思います。テレビやライブで観る芸人さんは誰を観ても面白いですし、
「お笑い芸人」=「面白い」ですからね。
ですが、これは大きな部分が欠けています。それが〇〇です。
では、〇〇とは何なのでしょうか?
売れる芸人に欠かせない認知度
〇〇は芸人の名前です。
芸人の名前が入ります。芸人なら誰の名前でも良いです。
もっと具体的に言います。実際に芸人さんの名前を出して言います。
爆笑問題さんが面白いネタをすることに意味があります。
ダウンタウンさんでも東京03さんでも良いです。
この〇〇に名前が入ることが大事だと僕は思います。
面白いネタと言うことだけが独り歩きしていますが「誰が」するか。
ここが一番大事なことだと僕は思います。
「誰が」という認知度ですね。
つまり、ネタを磨くのではなく芸人としての自分を最初に磨かなくてはいけません。
多くの人はネタで認知度を上げようとします。ですが、無名芸人からのスタートでは限界がありますし、下手したら一生かかっても無理です。
「誰が」の重要性
もう少し具体的に説明していきます。
全く無名の売れない芸人Aが、とても面白いネタを披露したとします。
そして、このネタは科学的に面白さが数値化されて90点のネタだとします。
続いて誰もが知っている国民的人気芸人Bが、とても面白いネタを披露します。
このネタも面白さが数値化されて90点のネタだとします。
二組のネタを観た後、どちらを評価するでしょうか。
観たこともない無名芸人の90点のネタとテレビやラジオで毎日観る有名芸人の90点のネタ。
多くの人は有名芸人の方を評価すると思います。
「こんなに毎日仕事もしていて忙しいのに、ネタも面白いんだなあ。」なんて人によっては思うかもしれません。
※これは一般評価の場合です。たぶん芸人の評価や、お笑い好きの評価だと逆になります。
どちらもネタの面白さは同じなのに何故評価が変わるのしょうか。
芸人という自分をブランド化できているかどうか
これは、自分をブランド化できているかの違いだと思います。
分かりやすく言えば「ネームバリュー」ですね。
知られているかどうかです。
全く知らない人が披露した一発ギャグと家族の誰かが披露した一発ギャグ。
家族の誰かが披露した一発ギャグが面白くなかったとします。
それでも笑いますよね。どちらが笑いやすいかと言ったら身内の方が笑いやすいですよね。
そこにある違いは「知られている」「知られていない」です。「認知度」です。
つまり、名前が知られているというだけで有利になる訳です。
なぜだと思いますか?
知っているという安心感など、言うのならば「心理的」なものですよね。
知らない人より知っている人に心を開きますよね?笑いも同じです。
つまり、知られているだけで笑いのハードルが下がります。
芸人は面白ければ売れる…?
芸人は面白ければ売れる。間違っていません。
ただ、それは、
同じ土俵に立った場合の話です。
同じ土俵に立った場合も認知度はプラスになります。
知られているだけで70点のネタも80点に見えます。そんなものです。
ですが、多くの場合は同じ土俵に立つことも無いまま終わります。
それなのに芸人は「面白さ」を追求します。わざわざ難しいことをしているのです。知られてからの方がハードルが下がりますし注目度も高まります。
「ネタの面白さ」そんなものは知られてからの話だと僕は思います。
知られていてネームバリューがあって面白いネタをすることに意味があるのであって、
知られてもいない無名の芸人が面白いネタをすることの意味は薄いと思います。
少なくとも今の時代はネタで売れることが難しくなっていますから。
勿論、知名度やネームバリューを飛び越えるくらいの面白いネタがあれば分かりませんし、そのパターンで売れる人も実際にいます。
ですが、それは運が良かっただけです。
狙ってするものではありませんし狙ってできることでもありません。
まとめ
まとめると、名前を知られていて面白いネタが出来る人は売れる。ということですね。
もっと言ってしまうと、面白いネタなんて出来なくても知名度さえあれば面白く見えてしまいます。勿論、最低限のレベルには達していなければさすがに面白くはならないですが…。
とにかく、面白いネタが出来る人はいくらでもいますが、名前を知られることはとても難しいです。
そして名前を知られる方法はネタだけとは限りません。
ですが、多くの人は「ネタ」にこだわります。ネタで有名になって売れようとします。
そして、そのハードルはとても高く殆どの人が超えられないまま終わります。簡単に言ってしまえばネタで知名度を上げるより、その他の方法で知名度を上げた方が効率的ということです。
やり方によっては芸人を辞めた後にも活きてきますしね。面白いだけを追求しても辞めた後に何も残りません。
そうなった場合は活動してきた日々が無駄になってしまいます。「面白さ」だけではなく先を見据えて行動していくことも大切だと僕は思うのです。
とにかく僕が伝えたいことは、
芸人は面白いだけで売れるほど簡単な世界じゃない。
「認知度」「面白さ」両方を兼ね備えた人は「売れる」
ということです。もっと言えば、それでも売れない可能性も大いにあって絶対などはない。ということです。
ありがとうございました。
正に、ですね、世知辛いことに……。
「誰が言うか」ってかなり「面白さ」に左右されますよね。M1で初めて観る芸人さんでも「M1の決勝に残るほどの実力者」=「安心して笑えるに違いない」というバイアスがかかりますもんね。
実力と知名度・ファン獲得、両輪で回していく必要があると思います。
「面白さ」を左右しますよね、でした。
ヒダマルさん。コメントありがとうございます。
結局大きな問題は「誰が」だと思います。
見慣れているかどうかでも笑いのハードルが全然違いますからね。